薬を使わないトゥレット症候群(チック症)と強迫性障害の治療 §26

Kurikiメソッド(the first edition in 2007)はトゥレット症候群(チック症)および強迫性障害を薬を使わずに治すことを目的とした理論である。この理論はこれらの病気の構造についての推論と解釈に基づいている。精神分析医を読者と想定して書かれており、一般の読者には難解であり、誤読の危険性がある。したがって、Kurikiメソッドは患者が最寄りの精神分析医により治療を受けること、患者とKurikiメソッドの間には常に精神分析医が存在することを前提とする。感情的カタルシスの爆発は強い影響を伴うため、一週間に一度、三秒間のみの実施であり、そのペースを超えた場合は過失による一種の事故である。そのような事故による一時的な精神的沈下は感情的カタルシスに関し未熟な精神分析医の責任とする。また、論理的思考力に乏しい患者には、頭の中でのトラウマ・イメージの加害者と現実世界での人物との錯覚的混同による暴力的復讐感情に関して精神分析医による個人的な説明が不足してはならない。

 

薬を使わないトゥレット症候群(チック症)と強迫性障害の治療
§26

 

チック症の上層部におけるKVの三種類の身体的抑圧対象

1、原始的被抑圧感覚 §26
2、不定的被抑圧感覚 §27
3、再帰的被抑圧感覚 §28
KV(身体的抑圧)は神経症の原因ではなく、神経症の症状である。
1、原始的被抑圧感覚
幼児のチック症の初期段階では、チック症の上層部は身体のある特定の箇所の抑圧である。
リビドーレベルで抑圧される主な身体感覚。
• 口 (口唇、舌、口の括約筋、など)
• 肛門の括約筋
• 膀胱の括約筋
• 性器 (一日中の、下着の内側との接触の感覚などをさしている。)
これらの一日中の感覚。
括約筋の緊張や皮膚の接触感覚であるが、個人差として、他の身体部分での例外的な原始的被抑圧感覚の可能性も考慮される。
幼児は身体感覚の局所化が未発達である。肛門、膀胱、性器の身体感覚が未分化な状態で、腹部のひとつの身体感覚としてまとめて知覚される可能性がある。
たとえば、毎日の家庭生活での家族の人の身体に関する性的および性器的な不快判断などが抑圧され、感情のかたまりが形成される。チック症の下層部は感情のかたまりの抑圧。その抑圧手段が上層部。上層部は不快な身体感覚の抑圧の仕組みで、チック症の《強迫性筋肉内感覚》が抑圧手段である。無意識の中のリビドーレベルで、トラウマイメージと原始的感覚は隣接している。
KV、つまり身体的抑圧は、身体的不快感覚を意識対象として避ける肉体的な仕組みである。原始的感覚を身体的無意識が避けるということは神経症の症状。神経症の原因ではない。もしも、読者がチック症の原因は無意識が原始的感覚を避けることであると考えるのならば、それは間違いである。