国語文法・女性語、オネエ言葉の学習

女性語、オネエ言葉の学習
このページは日本語を勉強している外国人を対象に書いたものである。外国人向けということで英語で書いてもよかったのであるが、女性語を使うレベルまで既に日本語の勉強が進んでいる読者には日本語で書かれたものの方がむしろ理解しやすいであろうという憶測とともに、女性語の使用には微妙な点が多く、このページの読者がふざけた外人と思われ、顰蹙を買うといったような事態が起こることも予想され、十分に日本語を習得した方のみに読んでいただきたく思い、日本語で書くことにした。おもな女性語をひとつひとつ挙げていくが、外国人女性が女性語を使う場合は概して冗談の要素を多く含むことになり、必然的に聞く人がなにやら笑うという結果が生じるはずである。女性語の使用は人を笑わせるためであることが前提となるため、会社などの真面目な空気の中では使ってはならない。女性語は丁寧そうに見えて、頻繁に格助詞が抜けなどし、実際は文として簡潔になっている。また、女性語の発音には独特な抑揚が伴い、文としては普通の文でも抑揚によって女性語となる場合もある。


あなた、あなたがた
昔は外国人向けの日本語の教科書には人称代名詞の二人称として、あなた、あなたがた、という語が出ていたかと思われるが、現在では非常に注意して使われるべき語、使わないほうが安全な語として説明がなされているはずである。あなた、あなたがた、が使われるのは女性語としてだけであり、それは目上の女性が目下の男性や目下の女性に対して使う場合、および妻が夫に話をする際などに使われる。とくに前者の場合は話の相手が自分よりも目下の人ということになってしまうので、失礼がないよう、十分な注意が必要となる。



(終助詞)
自分の判断やものごとの事実性の断定を表す


た(過去、完了の助動詞の連体形)+わ
「きのうの映画、面白かったわ」
ガ行、ナ行、バ行、マ行の動詞五段活用+だ+わ
「一キロも泳いだわ」
「その人、三年前に死んだわ」
「このハイヒール履いて、もう三回も転んだわ」
「その本、もう読んだわ」


ない(助動詞の連体形)+わ
「あんな店、もう二度と行かないわ」
動詞の連体形+わ
「わたしがするわ」


のよ
(終助詞)
聞き手の知らない事柄についての情報を伝える。
た(過去、完了の助動詞)+のよ
「昨日の映画、面白かったのよ」
ガ行、ナ行、バ行、マ行の動詞五段活用+だ+のよ
「一キロも泳いだのよ」
「その人、三年前に死んだのよ」
「このハイヒール履いて、もう三回も転んだのよ」
「その本はもう読んだのよ」


ない(助動詞)+のよ
「あんな店には、もう二度と行かないのよ」
実は・・・・なのよ。実は・・・・です、の意。
「実は、来年、定年なのよ」



(終助詞)
上昇抑揚で聞き手への質問や疑問、下降抑揚で確認された状態を表す。
た(過去、完了の助動詞)+の
「あなたが昨日見た映画、面白かったの」
ガ行、ナ行、バ行、マ行の動詞五段活用+だ+の
「あなた、一キロも泳いだの」
「ひょっとして、その人、三年前に死んだの」
「えーっ、あなた、このハイヒールを履いて、もう三回も転んだの」
「あなた、その本、もう読んだの」


ない(助動詞)+の
「あなた、もうあの店、二度と行かないの」


かしら
(終助詞)
疑問文をつくる。ですか、と同義であり、接続詞、それとも、が続く気持ちがある。
「もういいかしら、それともまだかしら」
・・・う
(自分の意志を表す助詞)
+かしら。
これから自分が行なう行動への意志を仮定法的、条件法的な疑問文で表す。
「おコーヒー、おひとつ、いただこうかしら」
(因みに、このような不必要な丁寧語の、お、または、ご、は女性語といえる。)


よ(終助詞)。 です、と同義。断定の気持ちを表す。
形容動詞の活用において終止形をつくる
「あたし、いやよ」
副詞+よ
「ええ、そうよ」
動詞の連体形+わよ
「それは違うわよ」
「あたし、先に行ってるわよ」


ね(間投助詞)。 聞き手も同じ意見をもっているはずであるという気持ちが表される。
ねえ、と伸ばして発音されると、聞き手に同意を促す気持ちが強くなる。
名詞+ね
「次、あたしの番ね」
名詞+だわね
「いかにも春って感じだわね」
形容詞の連体形+わね
「これ、八千円て、ちょっと高いわね」
形容詞の連体形+わよね
「これ、八千円て、ちょっと高いわよね」
形容動詞の活用語尾
「あの人、ちょっと意地悪ね」
形容動詞の活用語尾
「あの人、ちょっと意地悪よね」


まあ(感動詞)。実際は驚いていないが、驚きや意外な気持ちを表す。
「まあ、大変」
「まあ、どうなさったの」


あら
(感動詞)
実際は驚いていないが、驚きや意外な気持ちを表す。
「あら、大変」
「あら、どうなさったの」


助詞や助動詞を伴わない名詞を音節をひとつひとつ区切りながら発音する。
「お、ト、イ、レ」


あたし、あたしたち
(一人称の人称代名詞)


ねーえ、・・・。
(間投助詞)
話しかける際に用いる。


でもねー、・・・。(間投助詞)しかしの意。
「でもねー、お金、ないのよね」


ほーんと、・・・。
(間投助詞)
本当に、の意。
「ほーんと、頭、来ちゃうわ」


いーい、・・・。
(間投助詞)
用意は、いいですか、の意。
「いーい、いくわよ」


現代の若い女性は使わない女性語
1.
・・・・してくださいませ。・・・・してください、の意で昔の年配の女性が用いたが、現代では死語に等しい。
現代の若い女性は使わない女性語
2.
だって・・・・んですもの。動詞連体形や助動詞連体形に付き、ドラマの中の台詞などで年配の女性が自分の失敗を弁解するときの表現。
「だって、知らなかったんですもの」
現代の若い女性は使わない女性語
3.
・・・・ですこと。相手の良い状態を冷やかすときのイヤミな表現。・・・・ですね、の意。
「あら、お楽しみですこと」
「まあ、おきれいですこと」
現代の若い女性は使わない女性語
4.
れる、られる
(尊敬、自発、可能の助動詞)の連用形
+て
(疑問の終助詞)。
尊敬、自発、可能の意味をもつ動詞の連用形+て
(疑問の終助詞)。
・・・・ましたか、完了に関する疑問の意。
「どうかされて」
「どうかなさって」
「あなた、このなぞなぞ、解けて」